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成年後見制度は、認知症の高齢者や知的障害者、精神障害者など判断能力が十分でない方(以下「本人」ということにします)のために、後見人等の援助者が財産管理と身上監護の両面から、代理権や同意や取消をする権限を使って、本人の意思を尊重しながら、本人の権利を守っていくための制度です。

例えば、本人に判断能力がまったくなければ、福祉サービスの利用契約や財産の管理、遺産分割協議等ができませんし、判断能力が不十分な場合には、言葉巧みに勧められて不必要な高額商品を購入してしまったり、請求すれば受け取れるはずの保険金等を請求しないまま放置してしまうなど、契約等を本人だけに任せていたのでは本人にとって不利益な結果を招くおそれがありますので、成年後見制度が必要とされるのです。

成年後見制度は、(Ⅰ)
法定後見制度 と(Ⅱ)任意後見制度 の二つに分かれます。


後見とは、日常的に必要な買物も自分ではできず誰かにかわってやってもらわなければならないなど、本人の判断能力がほとんどない(自分自身で財産の管理や処分ができない)場合になされるものであり、本人の援助者として成年後見人が家庭裁判所によって選任されます。

成年後見人には、原則として下記の権限があります。 
 ①財産管理権と代理権
 ②本人の行った行為の取消権

 


保佐とは、日常的な買物程度は自分自身の判断でできるが、不動産の売買や金銭の貸し借り等重要な財産行為は自分では判断できないような、本人の判断能力が著しく不十分(自分の財産の管理や処分をするには常に援助が必要)な場合になされるものであり、本人の援助者として保佐人が家庭裁判所によって選任されます。

保佐人には、原則として下記の権限があります。
①本人がする重要な財産行為(不動産の売却や遺産分割等民法13条1項に該当する行為)に同意する。
※本人が保佐人の同意を得ないで重要な財産行為を行った場合には、後で取り消すことができる。
②家庭裁判所と本人が認めた特定の事項について、本人を代理する。

 


補助とは、重要な財産行為は自分で判断できるかもしれないが、できるかどうか危惧があるので、本人の利益のためには誰かに援助してもらった方がよいというような、本人の判断能力が不十分(自分の財産の管理や処分をするには援助が必要な場合がある)な場合になされるものであり、本人の援助者として補助人が家庭裁判所によって選任されます。

補助人には、原則として下記の権限があります。 
①家庭裁判所と本人が認めた重要な財産行為を、本人が行う際に同意する。
※本人が補助人の同意を得ないでそれを行った場合には、後で取り消すことができる。
②家庭裁判所と本人が認めた特定の事項について、本人を代理する。

①本人の主治医等に、家裁所定の「診断書」を作成してもらいます。

その際、鑑定も引き受けてもらえるか確認します。
診断書の記載を参考に、申立類型(後見・保佐・補助)を決定します。

福祉関係者に、本人の生活状況等に関する「本人情報シート」を作成してもらいます。

申立に必要な添付書類の収集や財産目録等各種書類を作成します。  管轄家庭裁判所(本人の住民票上の住所が多摩地区の場合は東京家裁立川支部)に面接日時を予約します。
申立人になれるのは、原則として本人、配偶者、四親等内の親族です。


②予約した面接日の3日前(土日休日は除く)までに、申立書類一式を郵送等で管轄の家裁に提出します。

③面接日時に、申立人・本人・後見人等候補者が管轄の家裁に出向き、家裁調査官等による面接調査が行われます。
(本人が来れない場合は、後日調査官が本人を訪問して面接することもあります)

④家裁から本人の推定相続人等親族へ、郵便等によって意向の確認を行います
(申立時に同意書が提出されている親族に対しては省略)。

⑤家裁から医師に精神鑑定を依頼します。
(後見・保佐の場合は原則必要。ただし、後見の場合省略されることも多い。)

⑥後見等開始審判 → 2週間経過 → 審判確定 → 後見等の登記

⑦後見人等就任後の事務開始

(財産の引継、家裁への財産目録等提出、金融機関への後見人等届出等)

申立から審判確定まで、平均して2〜3ヶ月程度かかります。

申立後の取下は家裁の許可が必要です。候補者が後見人等に選任されないようだ、監督人が選任されそうだ等の理由による取下げは許可されない可能性が高いと考えられます。


後見人・保佐人・補助人(以下「後見人等」)は、本人の意思を尊重し、本人の心身の状態と生活の状況に配慮して後見等の事務を行う必要があります(身上配慮義務)。

後見人及び代理権を有する保佐人・補助人が、本人の居住用不動産を処分(売却、抵当権設定、賃借契約の解除等)するには、家庭裁判所の許可が必要になります。

後見人等と本人の利害が相反する行為(共に相続人となった場合の遺産分割等)をする場合は、家庭裁判所が選任した特別代理人等が本人を代理します。
ただし、監督人が選任されている場合は、監督人が本人を代理します。

後見人等に対する監督は家庭裁判所が行い、家庭裁判所は後見人等へ定期的に(事案によっては不定期に)財産目録等の提出を求めます。
事情によっては、家庭裁判所が別途司法書士や弁護士等を監督人に選任することもあります。

 

また、本人が成年被後見人で、親族が後見人に選任された場合、本人の預貯金が高額(500万円以上)なときには、監督人が選任される場合を除き、日常必要な金銭を後見人が管理し、日常使用しない金銭を信託銀行等に信託する後見制度支援信託という仕組みを利用することを家庭裁判所から求められます。本人の財産を適切に保護するため、信託財産の払い戻しや解約には、家庭裁判所の指示書が必要となります。


後見人等の報酬は、後見人等が一定期間後見等の事務を行った後に、家庭裁判所へ期間中の事務報告等とともに報酬付与の申立を行い、家庭裁判所が後見等の事務内容や本人の財産額等を勘案して決定した報酬額を、本人の財産から支払います。
参考までに、東京家庭裁判所がホームページで公表している
「成年後見人等の報酬額のめやす」はこちら  です。

後見等の事務は、原則として本人の死亡まで続きます。
後見人等を辞任するためには、正当事由と家裁の許可が必要になります。 

東京家庭裁判所本庁及び立川支部の場合 


・申立書

・申立事情説明書

・親族関係図

・後見人等候補者事情説明書

・戸籍抄本(本人) <3ヶ月以内のもの>

・住民票(本人、後見人等候補者) <3ヶ月以内のもの>

・後見人等の登記がされていないことの証明書(本人) <3ヶ月以内のもの>

・診断書及び診断書附票(東京家裁所定のもの) <3ヶ月以内のもの>


・本人情報シートのコピー


・愛の手帳のコピー(本人が知的障害で手帳を所持している場合)

・親族の意見書 <3ヶ月以内のもの>

・本人の財産目録及びその資料(不動産登記簿謄本コピー、預貯金通帳コピー等)

・本人の収支状況報告書及びその資料(領収書コピー等)


①収入印紙(申立用) 800円(内訳 400円×2)

(保佐または補助で代理権付与申立をする場合は800円追加)
(補助で同意権付与申立をする場合は800円追加)


②収入印紙(登記用)2,600円(内訳 1,000円×2、300円×2)

③郵便切手  

後見の場合 3,720円(内訳 500円×3、100円×7、  
84円×15、
20円×10、10円×5、2円×5)

保佐・補助の場合 4,920円(内訳 500円×5、100円×9、
84円×15、20円×10、10円×5、2円×5)

④鑑定費用 5万〜10万程度(医師により異なります)

⑤司法書士報酬(書類作成等申立支援) 55,000円〜110,000円

 

※別途、添付書類等の収集実費がかかります。

※費用はすべて申立人の負担です。
ただし、東京家裁では①〜④の費用については本人負担とする裁判をする運用が行われています。したがって、後日選任された後見人等に対し、本人の財産から本人負担とされた費用の償還を請求することができます。


判断能力があるうちに、将来判断能力が認知症等により不十分になったときのために備えて、将来自分の任意後見人になってもらいたい方と、後見事務(代理権)の内容を公正証書による任意後見契約によってあらかじめ決めておくのが任意後見制度です。

任意後見契約の委任者の判断能力が低下した段階で、原則として委任者の同意を得て、家庭裁判所に任意後見人の仕事を監督する人(任意後見監督人)を選任してもらい、任意後見人の事務が開始されます。


任意後見契約を締結した場合、任意後見受任者(将来任意後見人になる人)は、任意後見を発効(スタート)させるための家裁への任意後見監督人選任の申立が必要かどうか(本人の判断能力が低下していないかどうか)を確認する必要にせまられます。
しかし、本人の近くに親族や見守ってくれる人がいない場合、任意後見契約だけだと本人の判断能力が低下したかどうか任意後見受任者が把握できないので、本人と定期的に面会や電話連絡をとる内容の「見守り契約」を、任意後見契約と併せて締結することをお勧めしています。
面会や電話の頻度は「見守り契約」の報酬額との兼ね合いで決めることとなります。


判断能力には問題ないけれども、病気や体の障害などのために、財産管理や入院等の契約などをかわってやってもらいたい場合にする契約です。任意代理契約ともいいます。
任意後見契約は、本人が認知症等にならず判断能力が低下しなかった場合、任意後見がスタートしませんので、財産管理等委任契約をあわせて締結しておくと、本人が病気や身体障害になった場合にも本人の代理人として活動できます。
ただし、財産管理等委任契約は公的な証明書がありませんので、金融機関等の取引や契約の相手方によっては、本人の意思確認などが必要な場合があり、使い勝手があまりよくない部分もあります。
また、財産管理等委任契約は、原則として監督人はいませんので、代理権の範囲は日常業務(財産管理、定期的な収入及び支出に関する手続等)と必要性の高い身上監護業務(介護サービス利用契約、医療契約、入退院手続等)に限定しておく方が無難です。
できれば信頼できる第三者に監督人になってもらい、委任者、受任者、監督人の三者で三面契約を結ぶ方がよいと思います。
当事務所の財産管理等委任契約については、原則として、成年後見センター・リーガルサポートが監督人になる三面契約を勧めています。
そして、代理権を追加する必要がある場合は、委任者、受任者、監督人の合意で委任事務の範囲を変更します。


財産管理等委任契約や任意後見契約は、本人の死亡により終了するため、通常本人死亡後の入院費の精算、葬儀、納骨等の事務についても委任する死後事務委任契約を別途締結します。 ただし、財産管理等委任契約や任意後見契約がスタートしない状態で本人が亡くなった場合には、原則として死後事務委任契約も効力を生じないので、ご注意下さい。


契約書に定める任意後見人等の報酬についての、当事務所の基準です。


①任意後見人の報酬

「継続的管理業務」(預貯金の管理、定期的な収入の受領、定期的な支出の支払等)
定額報酬 月額33,000円を基本に、協議のうえ決定
「継続的管理業務以外の報酬」(不動産の管理、処分、施設入所契約等)
協議のうえ決定

※任意後見監督人の報酬は、家庭裁判所が監督人の申立てにより決定します。

 

②任意代理人の報酬

「日常業務」(預貯金の管理、定期的な収入の受領、定期的な支出の支払等)
定額報酬 月額33,000円を基本に、協議のうえ決定

「身上監護業務報酬」(介護・福祉サービス利用契約、医療契約、入退院手続等)
協議のうえ決定

 

③任意代理監督人報酬  「日常業務」の定額報酬の1割

 

④見守り報酬

月額3,300円〜5,500円 ただし、1年分一括払い。
定期訪問以外の不定期の訪問  11,000円
病院への受診・入院等手配   出張を伴う場合55,000円以内
                 出張を伴わない場合27,500円以内

⑤死後の事務報酬  550,000円以内

①契約書作成に至るまでの報酬等

相談料 1回につき5,000円(消費税別)
日当(出張する場合) 1時間につき5,000円(消費税別)
必要書類の取り寄せ報酬 1通につき1,000円(消費税別)
各種実費
⇒これらの報酬・実費は、契約に至らなくても発生します。
ただし、契約に至った場合は、上記の相談料・日当は契約書作成司法書士報酬の
一部に充当いたします。 

 

②任意後見契約

公証人手数料
 基本手数料 11,000円
 登記嘱託手数料 1,400円
 収入印紙代 2,600円
 雑費 数千円
合計約2〜3万円
任意後見契約書作成司法書士報酬 80,000円(消費税別)

 

③任意代理契約(財産管理等委任契約)及び見守り契約

公証人手数料
 基準額=受任者の報酬の10年分×2
 または(代理人の報酬の10年分)+(監督人の報酬の10年分)
 基準額500万円まで(または算定不能)11,000円
 基準額1000万円まで17,000円
 基準額3000万円まで23,000円

 雑費 数千円
 合計約2〜3万円
任意代理契約書等作成司法書士報酬 80,000円(消費税別) 
ただし、見守り契約のみの場合は、40,000円(消費税別)

 

④死後事務委任契約

公証人手数料
 
基本手数料 11,000円
 
雑費 数千円
死後事務委任契約書作成司法書士報酬 40,000円(消費税別)

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