不動産の相続登記手続について


不動産の相続による所有権移転登記手続について、手続の流れ・必要書類・費用等についてご説明いたします(ただし、遺言書がある場合は手続等が異なります)。

不動産の相続登記は現在は義務ではありませんが、令和3年に法律の改正があったため、令和6年4月1日から相続登記を3年以内に行うことが義務付けられました(令和6年4月1日より前に開始した相続にも適用されます)。

法定相続人の確定


被相続人(亡くなられた人)の、出生時から死亡時までの戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本(婚姻・戸籍改製・転籍等により通常3〜5通ほどになります)、除住民票・戸籍の附票等を収集します。
法定相続人が被相続人の兄弟姉妹になる場合には、被相続人の両親の出生まで遡る除籍謄本等も必要になります(詳細は後記のとおり)。
また、法定相続人全員の戸籍謄抄本・住民票等を収集します。
これら戸籍謄本等の収集により、法定相続人となる方を確定します。

法定相続人を確定するために必要な戸籍謄本等について

1 相続人が「配偶者と子(第一順位)」または「子(第一順位)のみ」の場合
 @被相続人の出生時から死亡時まで継続した戸籍、除籍、改製原戸籍謄本
 A第一順位の相続人のうち死亡者がいる場合は、死亡者の出生時から死亡時まで
  継続した戸籍、除籍、改製原戸籍謄本
 B代襲相続人がいる場合は、代襲相続人の戸籍謄本
 C相続人全員の戸籍謄抄本

2 相続人が「配偶者と父母(第二順位)」または「父母(第二順位)のみ」の場合
 @被相続人の出生時から死亡時まで継続した戸籍、除籍、改製原戸籍謄本
 A第一順位の相続人が死亡している場合は、死亡者の出生時から死亡時まで継続
  した戸籍、除籍、改製原戸籍謄本
 B相続人全員の戸籍謄抄本

3 相続人が「配偶者のみ」または「配偶者と兄弟姉妹(第三順位)」または
  「兄弟姉妹(第三順位)のみ」の場合
 @被相続人の出生時から死亡時まで継続した戸籍、除籍、改製原戸籍謄本
 A被相続人の父母の出生時から死亡時まで継続した戸籍、除籍、改製原戸籍謄本
 B第一順位の相続人が死亡している場合は、死亡者の出生時から死亡時まで継続
  した戸籍、除籍、改製原戸籍謄本
 C第三順位の相続人が死亡している場合は、死亡者の出生時から死亡時まで継続
  した戸籍、除籍、改製原戸籍謄本
 D代襲相続人がいる場合は、代襲相続人の戸籍謄本
 E代襲相続人が死亡している場合は、死亡者の死亡の記載ある戸籍謄本等
 F相続人全員の戸籍謄抄本


なお、収集した戸籍謄本類一式を基に「法定相続情報一覧図」を作成して法務局に提出し、写しの交付を受ければ、預貯金の解約等他の相続手続で戸籍謄本類の束一式の代わりとなります(法定相続情報証明制度)。


遺産の確定


不動産については、登記済権利証、固定資産課税明細書・固定資産税納税通知書、名寄帳、固定資産評価証明書、登記簿謄本等の閲覧・収集により、被相続人の所有不動産を把握します。  

遺産分割


法定相続人全員で、遺産を誰がどのように取得するのかを協議します。
協議が整ったら、当職が遺産分割協議書を作成いたしますので、法定相続人全員が署名し、実印で鮮明に捺印をしていただきます。
その際、法定相続人全員の印鑑証明書各1通をご用意下さい。
不動産を相続する方については、登記用の委任状にも署名・捺印をいただきます。
登録免許税等の登記費用も、お預かりいたします。  

所有権移転登記手続


遺産分割協議書・印鑑証明書・委任状等の必要書類がそろいましたら、当職が代理人となり法務局へ相続による所有権移転登記の申請をいたします。
登記申請日から1週間〜10日ほどで登記が完了いたします。
登記完了後、登記識別情報(不動産登記法改正により従来の登記済権利証にあたるものです)、登記完了証及び登記簿謄本をお渡し(または書留で郵送)いたします。

相続登記必要書類


・依頼者及び不動産を取得する相続人の運転免許証等身分証明書
 (住所、氏名、生年月日の記載あるもの)
                                
・登記済権利証(登記識別情報通知)

・不動産登記簿謄本

・固定資産評価証明書(または固定資産課税明細書)

・被相続人の法定相続人を確定するために必要な戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本等

・法定相続人全員の戸籍謄本または抄本

・被相続人の除住民票または戸籍の附票
 (不動産登記簿の所有者欄の被相続人の住所と死亡時の住所のつながりがつくもの)

・法定相続人全員の住民票または戸籍の附票

・法定相続人全員の印鑑証明書

・遺産分割協議書(法定相続人全員の署名・実印)

・不動産を取得する相続人の登記委任状

 

事案によっては、上記以外にも必要な書類が発生する場合があります。

相続登記費用


・登録免許税(登記申請の際、収入印紙等で納めます)
  固定資産評価額×0.4% 
  ※ただし、固定資産評価額が100万円以下の土地については、
   令和4年4月1日から令和7年3月31日までは非課税


・書類収集等実費(下記書類等取得の際、役所等に支払います)
   登記簿謄本、登記簿閲覧、固定資産評価証明書、戸籍・除籍・原戸籍謄本、
  住民票、附票等


・司法書士報酬
  @登記申請1件につき、44,000円〜
 A遺産分割協議書作成 11,000円〜
  B戸籍・除籍・原戸籍謄本、住民票・附票、登記簿謄本、評価証明書等収集
   1通につき1,100円
 C日当、旅費、通信費  5,500円〜  

相続登記費用の具体例


<事案>

被相続人(亡くなった人)A   法定相続人は、妻B、長男C、長女D

亡Aの主な遺産
 自宅の土地(固定資産評価額2500万)及び建物(固定資産評価額500万)
 預貯金(ただし、相続人にて相続手続済み) 

遺産分割協議書の内容
 自宅の土地・建物は、妻Bが取得する。
 預貯金については、遺産分割協議書には記載しない。

司法書士の行った業務
・法定相続人確定のための除籍謄本等(6通)の収集
  実費3,500円 報酬6,600円
・不動産調査等のため、登記簿謄本(2通)、固定資産評価証明書(2通)の取得
  実費2,200円 報酬4,400円
・遺産分割協議書の作成
  報酬11,000円
・自宅の土地・建物について、妻B名義への相続登記申請
  登録免許税120,000円 報酬44,000円
・上記登記完了後の登記簿謄本(2通)の取得
  実費1,200円 報酬2,200円
・日当、旅費、通信費
  報酬 5,500円
以上の登記費用合計200,600円
(内訳 登録免許税及び実費126,900円、司法書士報酬73,700円)