相続人が、相続の開始によって被相続人(亡くなった方)の権利や義務を一切受け継がないようにするためには、家庭裁判所に相続放棄の申述を行い、受理される必要があります(民法938条)。
相続放棄の申述ができる期間は、自己のために相続の開始を知ったときから3ヶ月以内です(民法915条)。
「自己のために相続の開始を知ったとき」とは、相続人が相続開始の原因たる事実及びこれにより自己が法律上相続人となった事実を知ったときです。
ただし、「被相続人との交際状態その他諸般の状況により、被相続人に相続財産がまったくないと信じる相当な理由があるときは、相続財産の全部または一部を認識したときから、3ヶ月の期間を起算する」との最高裁判所の判決があります。
したがって、被相続人が亡くなってから3ヶ月以上経過していても相続放棄できる場合がありますので、ご相談下さい。
なお、相続開始を知ったときから3ヶ月以内であっても、相続財産の全部または一部を処分したときは(保存行為及び民法602条の期間内の賃貸を除く)、相続を単純承認したものとみなされて相続放棄ができなくなります。
また、相続放棄の申述が受理されたとしても、債権者がその無効を主張して相続債務の支払請求訴訟等を提起することはありえます。その場合、当該訴訟にて相続放棄の有効無効が争われることになります。
相続放棄の申述先は、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所です。
被相続人の最後の住所が東京の多摩地区(23区以外)の場合は、東京家裁立川支部となります。
家裁に書類を提出した1〜2週間後に、家裁から相続放棄の申述が申述人の意思に基づくものか確認するための照会書が届きますので、それに署名・捺印して返送すると、1〜2週間後に「相続放棄申述受理通知書」が送付され、手続終了となります。
ただし、以後の手続によっては「相続放棄申述受理証明書」(1通につき150円の収入印紙が必要)を別途家裁に申請して発行してもらう必要がある場合があります。
ご用意いただく書類等(戸籍、住民票等は3ヶ月以内のものが必要です)
◇申述人の運転免許証等身分証明書◇申述人の認印
◇被相続人の除籍(戸籍)謄本
◇被相続人の除住民票
◇申述人の戸籍謄本
◇申述人と被相続人が相続関係にあることがわかるすべての戸籍謄本等(詳細は後記のとおり)
◇申述人の住民票
◇被相続人の遺産(資産及び負債)に関する資料
申述人と被相続人が相続関係にあることがわかる戸籍謄本等について
1 放棄する人が被相続人の配偶者のとき
①被相続人の死亡時の戸籍謄本
2 放棄する人が被相続人の子(第一順位)のとき
①被相続人の死亡時の戸籍謄本
②放棄する人の現在の戸籍謄本
3 放棄する人が被相続人の父母・祖父母等(第二順位)のとき
※先順位者がいる場合はその人の相続放棄が受理されていないと申述できません
①被相続人の出生時まで遡った除籍謄本等から死亡時までの戸籍謄本等すべて
②放棄する人の現在の戸籍謄本
4 放棄する人が被相続人の兄弟姉妹(第三順位)のとき
※先順位者がいる場合はその人の相続放棄が受理されていないと申述できません
①被相続人の出生時まで遡った除籍謄本等から死亡時までの戸籍謄本等すべて
②放棄する人の現在の戸籍謄本
③被相続人の父母・祖父母で死亡している方がいれば、その方の死亡の記載ある除籍謄本等
※相続人のなかに代襲相続人が含まれる場合は、本来の相続人の出生から死亡時までの除籍謄本等も必要になります
相続放棄の申述の費用
申立費用
・収入印紙 申述人1人につき800円
・郵便切手 申述人1人につき84円×4枚、10円×4枚
司法書士費用
・書類作成及び提出代行報酬 申述人1人につき33,000円
ただし、2人目以降は半額
・添付書類収集報酬 1通につき1,650円
・通信費及び交通費、書類収集実費等
担当:佐藤(サトウ)
受付時間: 9:00~18:00
定休日:土日祝祭日
立川を中心に昭島・日野・国立・国分寺・東大和・武蔵村山等主に多摩地域で活動している佐藤崇司法書士事務所です。
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